視野障害になった場合

  交通事故で眼に後遺障害が残ってしまい、失明したり、視力が低下したりすることがあります。眼の後遺障害は、そのような視力障害に限られず、眼球運動機能や調節機能に障害が残存したりと様々です。そのような眼の後遺障害の種類として、視野が狭くなったりといった視野障害があります。

1 視野

 視野とは一般的に片眼で一点を見つめて目を動かさなくても見ることのできる範囲のことをいいます。正常な視野の広さは外方90°~100°、下方70°、内方及び上方60°程度です。交通事故で、視神経が損傷を受けると視野に異常が出てきたりします。

2 視野障害の後遺障害

 視野障害について、自賠責保険では一定の症状について後遺障害として規定しています。

等級

後遺障害

第9級3号

両眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

第13級3号

1眼に半盲症、視野狭窄又は視野変状を残すもの

(1)半盲症

 半盲症とは、視神経繊維が、視野経交叉又はそれより後方において侵されるときに生じるものであって、注視点を境界として、両眼の視野の右半部又は左半部が欠損するものを言います。視野の右半分あるいは左半分が欠けてしまい、見えなくなってしまう症状のことです。

(2)視野狭窄

 視野狭窄とは、視野周辺の狭窄のことです。視野狭窄には、求心性狭窄と不規則狭窄との2種類があります。

求心性狭窄は、視野の周辺部分から中心に向かって視野が狭まって行く状態で、視力が良好であっても、周囲の状況が分からず、歩行等が困難になることがあります。 

これに対して、不規則狭窄は、上方に起こるものや内方に起こるもの等不規則に視野が狭まって行く状態です。

(3)視野変状

 視野変状とは、半盲症、視野狭窄を含みますが、後遺障害の等級表にいう視野変状はこれらを除いたものです。具体的には、視野欠損と暗点を指します。

 暗点とは、視野の中に孤立して点状・斑状に欠損を生じるものであり、生理的視野欠損(盲点)以外の病的欠損を生じたものとされています。

3 視野の測定

  視野の測定は、ゴールドマン型視野計によります。ゴールドマン視野計は見えている範囲と感度を検査する視野計です。ゴールドマン型視野計で、V/4視標による8方向(上・上外・外・外下・下・下内・内・内上)の視野の角度の合計が、正常視野の角度の60%以下になった場合に、視野障害である半盲症・視野狭窄・視野変状に該当するとされます。

4 視野障害に関する裁判例

(1)大阪地裁平成10年7月9日判決(交民31巻4号1047頁)

  大阪地裁平成10年7月9日判決は、視野障害(視野狭窄等)について、交通事故と因果関係があるかが争われた事案です。上記大阪地裁判決は、「原告の傷病のうち、視力低下や視野狭窄に関するものは、心的葛藤を抑圧している等の原告の心因によるものと認められるところ、原告の心的葛藤等が何によるものかは本件全証拠に照らしても不明であるといわざるを得ない。」とし、「原告の傷病のうち、視力低下や視野狭窄に関するものは、これと本件事故との間に相当因果関係が存在することを認めるには足らず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。」と述べて、交通事故との因果関係を否定しました。

(2)東京地裁平成23年3月30日判決(交民 44巻4号857頁)

 東京地裁平成23年3月30日判決は、交通事故の後遺障害として、右眼視野障害が存在するかについて争われました。上記東京地裁判決は、自賠責保険の基準は、労災保険の基準に準じるとしているが、自賠責保険における視野障害(後遺障害等級表13級2号の「1眼の半盲症,視野狭さく又は視野変状を残すもの」)の認定に当たっては、8方向の視野の角度の合計が正常視野の角度の60%以下になったことを絶対の要件とせず、絶対暗点が存する場合、その暗点の大きさにかかわらず、後遺障害と認定しているとして、右眼視野障害を後遺障害として認定しました。

 なお、上記東京地裁判決の事案の交通事故の被害者は、12回異議申し立てをしたにも関わらず右眼視野障害を非該当にされた等は不法行為に該当するとして、慰謝料3億円を自賠責保険会社に対して請求する訴訟を提起したようですが、敗訴しているようです。

(弁護士中村友彦)

 

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