脊髄損傷の後遺障害基準

  脊髄とは、脳と体をつなぐ神経のことです。脊髄が損傷を受けた場合、脳からの情報が正確に伝わらなくなってしまって、障害部位の以下の運動、知覚機能、自律神経が著しく障害されます。損傷の部位、程度によって障害の内容は変わってきます。

 交通事故にあった場合、事故態様によっては、脊髄損傷状態となり、重篤な後遺障害が残存してしまい、損害賠償額について素因減額等の争点となって激しい争いになることがあります。

1 脊髄

 脊髄は脊柱の中にあり、直径約1cmの白く細長い円柱状をしており、40cmから45cmほどの長さで、下方は脊髄円錐となって第1と第2腰椎の間の高さで終わっています。その第2腰椎以下では馬尾神経がありますが、これが損傷された場合にも、下肢の運動麻痺等が生じますので、労災や自賠責では、脊髄損傷に含めて運用されています。

   脳と脊髄で中枢神経を構成しており、脊髄は、頸髄、胸髄、腰髄、仙髄に分かれます。交通事故等の外力が加わり、脊柱を骨折・脱臼したりした場合に脊髄損傷になることが多いです。

2 脊髄の後遺障害等級認定

 交通事故で脊髄損傷になった場合、自賠責保険の後遺障害等級の認定は、労災認定基準に準じ、身体的所見やMRI、CTの画像検査等によって、裏付けることのできる麻痺の範囲と程度により認定されます。認定される可能性の後遺障害等級の一覧は、以下のとおりです。

等級

後遺障害の内容

別表1 第1級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

別表1 第2級1号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの

別表2 第3級3号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの

別表2 第5級2号

神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの

別表2 第7級4号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、経緯な労務以外の労務に服することができないもの

別表2 第9級10号

神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

別表2 第12級13号

局部に頑固な神経症状を残すもの

(1)後遺障害別表1第1級1号

  せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要する場合です。①高度の四肢麻痺②高度の対麻痺③中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの④中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するものが該当します。

(2)後遺障害別表1第2級1号

 せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要する場合です。①中等度の四肢麻痺②軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの③中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するものが該当します。

(3)後遺障害別表2第3級3号

   生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、せき髄症状のために労務に服することができない場合です。①軽度の四肢麻痺②中等度の対麻痺が該当します。

(4)後遺障害別表2第5級2号

 せき髄症状のために、きわめて軽易な労務のほかに服することができない場合です。①軽度の対麻痺②一下肢の高度の単麻痺が該当します。

(5)後遺障害別表2第7級4号

 せき髄症状のため、軽易な労務以外には服することができない場合です。一下肢の中等度の単麻痺が該当します。

(6)後遺障害別表2第9級10号

 通常の労務に服することはできるが、せき髄症状のため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるものをいいます。一下肢の軽度の単麻痺が該当します。

(7)後遺障害別表2第12級13号

 通常の労務に服することはできるが、せき髄症状のため、多少の障害を残す場合です。運動性・支持性・巧緻性及び速度についての支障がほとんど見られない程度の軽微な麻痺を残すもの該当しますし、運動障害が認められなくても、広範囲にわたる感覚障害が認められるものも該当します。

3 麻痺の種類

(1)高度

 高度の麻痺とは、障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性がほとんど失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作(下肢においては歩行や立位、上肢においては物を持ち上げて移動させること)ができないものをいいます。

(2)中等度

 中等度の麻痺とは、障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が相当程度失われ、障害のある上肢又は下肢の基本動作にかなりの制限があるものをいいます。

(3)軽度

 軽度の麻痺とは、障害のある上肢又は下肢の運動性・支持性が多少失われており、障害のある上肢又は下肢の基本動作を行う際の巧緻性及び速度が相当程度損なわれているものをいいます。

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交通事故による神経損傷~麻痺について~ 

(弁護士中村友彦)

 

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