交通事故により傷害を受けた時、治療のために病院に通うことになります。交通事故による傷害の治療費は損害として賠償請求できるのは当然ですが、病院に通うための交通費も損害として賠償請求できます。
1 請求できる額
賠償金として請求できる額は、原則として実費です。バス等の公共交通機関を利用した場合は、そのバス代等を請求できることになります。自家用車で病院へ通った場合は、ガソリン代として、だいたい、1キロあたり15円を基準に、家から病院までの距離に応じて請求することになります。
2 タクシー代
タクシー代も必要性・相当性があるのであれば、認められます。タクシー代の支出を表す領収書等はしっかり保存しておきましょう。大阪地裁平成7年3月22日判決のように、病院に通うために公共交通機関を使用するのであれば、交通事故で足を負傷した状態にもかかわらず1時間徒歩で歩かなければならないことから、タクシーの使用は必要であったとして約235万円を損害として認めた例もあります。
ただし、タクシー代が病院に通うための交通費として損害に認められる場合があるとしても、あくまで無制限に認められるわけではありませんので、無闇に使用するのはさけましょう。(弁護士中村友彦)
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