交通事故直後にした損害賠償についての合意が無効になることはあるか

   交通事故が起きた場合、当然被害者から加害者に対して損害賠償がなされることになります。通常の場合、交通事故によって負った傷害を治療するために病院へ入院・通院を行い、傷害が治癒したか、これ以上治療をしても意味がなければ症状固定とし残存する障害を後遺障害として、具体的な損害賠償の交渉をすることになります。しかし、ケースによっては、それ以前に損害賠償の具体的な額が定まっていない段階で、損害賠償について合意をすることがあり、それが有効か争われることがあります。 

1 東京地裁平成7年2月21日(交民28巻1号223頁)

  東京地裁平成7年2月21日判決は、メルセデスベンツ560SELが交通事故にあった物損事故です。上記東京地裁では、損害賠償についての合意書であると争われている書面に署名するまでは新規の車両で弁償することについて話し合いが行われておらず、また、その署名に先立ち、被告には、被害車両の購入後の期間、走行キロ数は勿論のこと、修理が可能か、可能であるとしてどの程度の費用、日数を要するのか、不可能であるとして被害車両の時価はどの程度か等について情報が一切与えられていなかったこと、供給すべき車両の車種、供給の時期が具体的に特定されていないのみならず、被害車両の帰属の点も触れられておらず、内容が極めて不明確であるといわなければならないこと、加害車両が会社の商用車であることは外形上明らかであって、会社の業務遂行中の事故であって、被告が会社の担当者と相談することなく個人の費用負担により新規の車両を提供して賠償することは通常有り得ないものと認識し得るというべきであることを考慮したうえで、被告が、交通事故直後で動揺しているときに、書面に書かれた字を目で追うだけで、その意味については十分に理解しないまま、強い要請に基づきその場しのぎのために署名したことを総合すると、その署名により新規車両を提供して弁償するとの確定的な意思表示があったものとみることは困難とした合意の存在そのものを否定しました。

 そのうえで、上記東京地裁は、仮に合意が成立したとしても、被害車両は、交通事故により生じた損傷は268万5354円の修理費用で修理が可能であり、評価損による損害を加えても365万6354円の損害であるところ、新規の車両の価格は1585万円であって、新規車両により弁償することは、対価的均衡を著しく欠くものといわなければならないことや、被告が、被害車両の購入後の期間、走行キロ数、修理の可否等について情報が一切与えられないまま、交通事故直後の動揺の最中に、交通事故現場で合意をしたことを総合すれば、合意は暴利行為として公序良俗に反する無効なものであると解するのが相当と判断しました。(弁護士中村友彦)

 

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