自動車事故で高齢者が加害者となった場合

   高齢化社会に伴い、高齢で自動車を運転する人が多くなっています。高齢の運転免許保有者が増えており、今後も増えていく見込みであることは、内閣府のHPに掲載されている交通安全白書等を見て頂いたらと思います。ニュースでも高齢者の運転による交通事故が取り上げられているところです。

  年齢が高くなると、動体視力の低下や情報処理能力が低下しますので、信号を見落としたり、ハンドルやブレーキの操作を間違えたりします。このような高齢者が自動車事故の加害者となった場合、加齢により能力が低下して弱い存在なのだから責任を軽くしようとは考えられていません。むしろ刑事事件では、厳しく扱われている感覚があります。

 

1 道路交通法71条の5によるシルバーマークの表示

     道路交通法71条の5第3項では、「第八十五条第一項若しくは第二項又は第八十六条第一項若しくは第二項の規定により普通自動車を運転することができる免許(以下「普通自動車対応免許」という。)を受けた者で七十五歳以上のものは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けないで普通自動車を運転してはならない。」として、75歳以上の場合にシルバーマークを自動車につけることを求めています。

    そして、道路交通法71条の5第4項では、「普通自動車対応免許を受けた者で七十歳以上七十五歳未満のものは、加齢に伴って生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。」として、シルバーマークの表示の努力義務を定めています。

2 シルバーマークの表示車両に対する対応

 道路交通法71条5の4は、「自動車を運転する場合において、第七十一条の五第二項から第四項まで若しくは第七十一条の六第一項から第三項までに規定する者又は第八十四条第二項に規定する仮運転免許を受けた者が表示自動車(第七十一条の五第二項から第四項まで、第七十一条の六第二項若しくは第三項若しくは第八十七条第三項に規定する標識を付けた普通自動車又は第七十一条の六第一項に規定する標識を付けた準中型自動車をいう。以下この号において同じ。)を運転しているときは、危険防止のためやむを得ない場合を除き、進行している当該表示自動車の側方に幅寄せをし、又は当該自動車が進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる表示自動車が当該自動車との間に第二十六条に規定する必要な距離を保つことができないこととなるときは進路を変更しないこと。」と規定し、シルバーマークを貼った自動車に対して、他の自動車が幅寄せや進路変更、割り込みをしてはいけないとしています。

 シルバーマークを貼った自動車であることを認識し(又は認識できた)にも関わらず、幅寄せ等をして交通事故が生じた場合には、シルバーマークを付けた自動車に対し幅寄せ等をした自動車側の過失が大きくなる可能性はあります。

3 基本的には高齢者としての過失割合の修正がないこと

    道路交通71条5の4に反して交通事故が生じたような場合には、過失割合について修正の可能性がありますが、それ以外の場合には基本的に過失割合の修正はありません。

   いくら民事裁判で高齢者修正と主張しても、加齢で弱いということは、運転能力がなく免許を返納すべき状態だったとなるので、修正する理由も必要性もないと裁判所から言われてしまいます。

 

 弊所が扱ったものですが、高齢者で信号を見落とし、歩行者等を怪我させたような場合に、高齢者以外であれば罰金ではないかという事案でも、正式起訴され禁固刑が求刑されるなどがあります。感覚的にですが、高齢者による交通事故の刑事裁判は厳しい感じがあります。正式起訴されてしまうと、大抵の人は免許を返納してしまいます。高齢者による運転は危険な部分があるので、免許の返納を促すために厳しい扱いがされているのかもしれません。

(弁護士中村友彦)

 

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