脳挫傷を負った場合

  交通事故にあった際、自動車に跳ね飛ばされる等して、頭部を強く打ち付けた場合には、頭蓋骨内部で脳が衝撃を受けることで、脳が損傷するような事態になることがあります。このような状態を脳挫傷といいます。脳は、人体にとっての枢要部ですから、その損傷は重要な後遺障害が残存することが多く、交通事故によって発生した損害も多岐にわたり、一般的に高額になりますから、事故態様などを含め争いになることが多いです。

1 脳挫傷

  脳に強い外力が加わったことにより、脳に断裂、浮腫、出血などの損傷が生じている状態です。脳自体に組織的変化がない脳震盪と異なって、脳が損傷を受けることから、脳震盪よりも障害の程度は格段に重く、強い意識障害や麻痺などを生じさせます。歩行者、自転車やバイクなどの交通事故で自動車に跳ね飛ばされて頭を打って起きることが多いですが、自動車の車内に頭を強く打ち付けて生じることもあります。外傷性クモ膜下出血などを合併することがよくあります。

2 検査

  交通事故にあった場合には、頭を打った時に限らず、検査は念入りに行いましょう。交通事故後、かなり日数が経ってから画像撮影等の検査を行って、異常が見つかっても、交通事故との因果関係の争いが生じてしまうことがありますので、必要な検査は早く行うべきです。脳挫傷についての検査で主なものは、頭部CTと頭部MRIです。

(1)頭部CT

 頭部をⅩ線撮影し、5mmから1cm間隔で輪切りにした画像を写し出す検査です。単純撮影と造影撮影があります。物質を透過して撮影するⅩ線の特性を利用する検査方法です。

(2)頭部MRI

 電磁波に共鳴しやすい水素の特性を利用した検査で、頭がい骨内の断面を画像化します。頭部CTでは発見できないような脳挫傷や、頭部外傷後の出血が分かる場合があります。

3 後遺障害等級認定の申請

  交通事故によって傷害を負い、治療を続けたが、もはや治療しても意味がない状態(症状固定)になった場合、自賠責保険で後遺障害等級認定を受けることになります。脳挫傷の場合にも、高次脳機能障害や低次機能障害などで自賠責の後遺障害等級認定の対象になります。

4 脳挫傷に関する裁判例

(1)大阪地裁平成22年3月15日判決(交民43巻2号346頁)

 大阪地裁平成22年3月15日判決は、交通事故で脳挫傷、頭蓋骨骨折、外傷性くも膜下出血等の傷害を負い、遷延性意識障害、四肢・体幹障害(いわゆる植物人間の状態)になり、自賠責後遺障害等級表別表第一第1級1号の後遺障害が認定された事案です。生活費を控除するかが争われましたが、上記大阪地裁は、生活費控除を行わずに逸失利益を算定し、後遺障害慰謝料として2800万円を認めました。

(2)大阪地裁平成23年7月26日判決(交民44巻4号1017頁)

 大阪地裁平成23年7月26日判決の事案は、交通事故で、脳挫傷等を負い、高次脳機能障害の後遺障害等級2級3号が認定された事案です。後遺障害慰謝料として2400万円を認め、将来の費用についても、介護施設費用月額30万円のうち、生活費等の5万円を除いた毎月25万円を交通事故による損害とし、総額2316万円5100万円を認めました。

 被告側は、将来の費用について、介護保険等を利用した場合の自己負担額に限定されるべきと主張しましたが、上記大阪地裁は、現在適用のある社会保険の給付内容や水準が将来的にも維持されることが必ずしも確実とはいえないとして排斥しました。(弁護士中村友彦)

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