買替諸費用(交通事故の損害)

 交通事故の物的損害の中で、よく争いになる項目に買替諸費用があります。買替諸費用が問題となるのは、交通事故の被害車両が全損になった場合ですが、示談交渉段階では、あまり保険会社は認めようとしません。ですので、買替諸費用が問題となるのであれば、早々に訴訟手続きをとった方が良い場合が多いです。訴訟の場合、過失割合が0対10以外であれば、加害者側から反訴がなされ、その中で加害者側からも買替諸費用の請求がされたのであれば、買替諸費用の具体的な内訳はさておき、買替諸費用という損害自体は争いにならないことが大半です。

 買替諸費用の損害項目が認められたとしても、その具体的な内訳については、どの部分までが交通事故の損害と認められるかで争われることがあります。また、気をつけないといけないのは、実際に支出しないと裁判所は買替諸費用を認めてくれませんので、少なくとも訴訟提起するのであれば、買替の具体的な目途を付けておくべきです。

1 買替諸費用

  車両の買替えを行う場合に、車両を購入するために必要とされる諸費用が買替諸費用です。

2 買替諸費用として肯定されることがあるもの

  交通事故の損害である買替諸費用として認められることがあるものに以下のようなものがあります。

 ①登録費用

 ②車庫証明費用

 ③登録手続きの代行費用(相当額のディーラー報酬部分の限度)

 ④車庫証明手続の代行費用(相当額のディーラー報酬部分の限度)

 ⑤納車費用(相当額のディーラー報酬部分の限度)

 ⑥廃車費用

 ⑦リサイクル料金

 ⑧自動車取得税(事故車両と同程度の中古車の取得に要する限度)

 ⑨自動車重量税(未経過期間で、廃車還付制度で還付を受けられないもの)

3 買替諸費用として否定されるもの

  交通事故の損害として認められないものに以下のようなものがあります。

 ①買替後の車両の自賠責保険料

 ②自動車税

 ③自動車重量税(東京地裁平成6年10月7日判決・交民27巻5号1388頁のように肯定したものもありますが、一般的に否定されています)

 ④相当額を超えるディーラー報酬部分の限度を超える登録手続きの代行費用・車庫証明手続の代行費用・納車費用

 

4 買替諸費用に関する裁判例

(1)登録手続き等の代行費用に関するもの

 東京地裁平成6年6月24日判決(交民27巻3号819頁)は、登録手続代行費用・車庫証明手続代行費用・納車手数料などの買替諸費用が争われました。上記東京地裁平成6年判決は、「これらは、販売店の提供する労務に対する報酬であるところ、車両を取得する都度、登録・車庫証明等の手続が必要となり、通常、車両購入者がそれらを販売店に依頼している実情にかんがみると、これらの費用も、買替えに付随するものとして損害賠償の対象とするのが相当である。」として、登録手続代行費用・車庫証明手続代行費用・納車手数料その他について、消費税を含めて合計4万円を交通事故の損害と認めました。

(2)リサイクル料金に関するもの

 東京地裁平成21年2月13日判決(交民42巻1号148頁)は、フェラーリ328GTSの物的損害として、リサイクル料金が交通事故の損害となるかが争われました。上記東京地裁平成21年判決は、特に理由を述べることなくリサイクル料金1万5550円を損害と認めました。

 なお、リサイクル料金とは、使用済自動車の再資源化等に関する法律により、シュレッダーダスト・エアバッグ類の再資源化とフロンの破壊に必要な費用に関して、自動車所有者が負担を求められているものです。

(弁護士中村友彦)

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