ペット等の死傷による損害

 交通事故が生じた場合、人身に関する損害や、車両の修理費と言った損害にとどまらず、事案によっては、交通事故に巻き込まれたペット等の動物が死傷したことによる損害が認められる場合があります。ペット等の損害の性質自体は、車両の修理費等と同様の物的損害に含まれます。物的損害として扱われることに、反発を覚える方は多いでしょうが、民法上「物」とされている以上仕方がありません。

1 損害の種類

  事案によって認められるかは区々ですが、損害として認められる可能性があるものに以下のようなものがあります。

①治療費や入院費といった治療関係費

②交通事故当時の時価相当額(死亡した場合)

③慰謝料

④葬儀費用

⑤逸失利益(競走馬など)

⑥通院にあたっての飼い主の交通費

 

2 ペットが死傷した場合の慰謝料について

  ペットが死傷した場合に、飼い主の方が最も請求したい損害は慰謝料かもしれませんが、民法上「物」と扱われていますので、物損の性質上、中々慰謝料が認められません。物損の場合、財産的な損害の賠償を受ければ原状回復すると考えられていますので、慰謝料が認められるのは、例外的に、財産的な損害の賠償を受けてもなお被害者の精神的な平穏を著しく害するような場合などに限ってのみです。

(1)東京地裁昭和40年11月26日判決(判時427号17頁)

 東京地裁昭和40年11月26日判決は、ダックスフンドが自動車に轢かれて死亡した事案です。上記東京地裁は「本件の犬はよく原告になつき、原告もこれを可愛がって夜もいっしょに寝ていたくらいであり、その死亡によって原告が精神的苦痛を受けたことを推認できる。さらに、被告が本件損害賠償請求に関し、渡辺運転手の報告を楯に取って事故そのものを否認し、本訴訟においても終始原告の請求を理由なき言いがかりであると主張していること、このため原告の被害感情は一層刺激され、財産的損害の賠償のみをもっては到底これを鎮静するに由ないものであることは本訴の経過自体に徴して明白である。」と述べたうえで、慰謝料2万円を認定しました。

(2)名古屋高裁平成20年9月30日判決(交民41巻5号1186頁)

 名古屋高裁平成20年9月30日判決は、追突による交通事故で、普通乗用自動車に乗せられていた飼い犬が第2腰椎圧迫骨折に伴う後肢麻痺の傷害を負った事案です。上記名古屋高裁は「近時、犬などの愛玩動物は、飼い主との間の交流を通じて、家族の一員であるかのように、飼い主にとってかけがえのない存在になっていることが少なくないし、このような事態は、広く世上に知られているところでもある(公知の事実)。そして、そのような動物が不法行為により重い傷害を負ったことにより、死亡した場合に近い精神的苦痛を飼い主が受けたときには、飼い主のかかる精神的苦痛は、主観的な感情にとどまらず、社会通念上、合理的な一般人の被る精神的な損害であるということができ、また、このような場合には、財産的損害の賠償によっては慰謝されることのできない精神的苦痛があるものと見るべきであるから、財産的損害に対する損害賠償のほかに、慰謝料を請求することができるとするのが相当である」として、飼い主である夫婦について、各々慰謝料の金額を20万円としました。

3 高額になるケース

  ペット等の死傷による交通事故の損害は通常の場合、それほど高額になることはありません。しかし、死傷した動物の性質によっては高額になることがあります。

(1)盲導犬の死亡事故で、その客観的価値を260万円とした事案

 名古屋地裁平成22年3月5日判決(判時2079号83頁)は、横断歩道を渡っていたところ、盲導犬が交通事故で死亡した事案です。育成費用として約450万円かかることや、残余活動期間が約5年程であることなどを考慮して、事故で死亡した盲導犬の客観的価値を約260万円としました。

(2)競走馬が交通事故にあって、休場したことで逸失利益473万円を認めた事案

 東京高裁昭和55年5月29日判決は、運搬中であった競走馬が交通事故で受傷し、10カ月ほど休場した事案です。交通事故がなければ、競走馬によって得られたであろう利益として、約473万円を損害として認めました。

(弁護士中村友彦)

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