交通事故の治療中に医療ミスにあった場合

   交通事故で怪我を負えば、当然、病院等の医療機関で治療を行いますが、その治療中に医療機関が医療ミスや施術ミスを行い、症状が悪化するといったことがあります。そのような場合で、交通事故と医療ミス(過誤)乃至施術ミスが共同不法行為と評価できるのであれば、交通事故の加害者に対して、損害の全部を請求することができます。

1 共同不法行為

 民法719条により、数人が共同の不法行為により他人に損害を与えたときは、不法後者たちは、連帯して損害賠償責任を負うとされています。これは、被害者の救済のために設けられた規定であり、一人の加害者から損害賠償金の全額を受け取ることができます。損害賠償全額を支払った加害者は、他の加害者に対して求償することになります。

 共同不法行為と評価されるには、一般的に客観的に関連しておればよいとされますので、交通事故の受傷と医師の医療過誤があいまった時には、共同不法行為が成立することが多いでしょう(大審院大正8年11月22日判決民録25巻2068頁)。ただ、医療過誤は医師という医療の専門家の責任を追及していきますので難しいことがあり、交通事故の加害者側に請求していくことが多いと思います。

 

2 交通事故の加害者は結果発生に寄与した分のみ責任を負うという主張ができるか

 加害者側から、損害の発生した原因に注目し、損害発生の寄与の割合を考えて責任を減額すべきだという主張がされるときがあります。しかし、このような寄与度減責の考え方を認めると、被害者救済のための民法719条の意味がなくなりかねません。

   最高裁平成13年3月13日判決(民集55巻2号328頁)でも、「共同不法行為によって被害者の被った損害は、各不法行為者の行為のいずれとの関係でも相当因果関係に立つものとして、各不法行為者はその全額を負担すべきものであり、各不法行為者が賠償すべき損害額を案分、限定することは連帯関係を免除することとなり、共同不法行為者のいずれからも全額の損害賠償を受けられるとしている民法719条の明文に反し、これにより被害者保護を図る同条の趣旨を没却することとなり、損害の負担について公平の理念に反することとなるからである。」として、共同不法行為の場合に各不法行為者は被害者の被った損害の全額について連帯して責任を負うべきと判断しています。

 

3 医療機関は交通事故の被害者の過失を主張できるか

  医療機関が損害賠償請求を受けたときに、交通事故が損害発生に寄与した割合を減額すべきとの主張を、医療機関は上記2で述べたのと同様にできません。この場合、医療機関が交通事故の被害者の過失を主張できるのかが問題となることがあります。

 しかし、医療機関は、既に交通事故にあった状態を前提とし、その状態から過誤を起こして損害を拡大させているわけですから、交通事故発生の被害者の過失は、医療過誤との関係では考慮されるべきではありません。

 上記最高裁平成13年3月13日判決でも、「本件は、本件交通事故と本件医療事故という加害者及び侵害行為を異にする二つの不法行為が順次競合した共同不法行為であり、各不法行為については加害者及び被害者の過失の内容も別異の性質を有するものである。ところで、過失相殺は不法行為により生じた損害について加害者と被害者との間においてそれぞれの過失の割合を基準にして相対的な負担の公平を図る制度であるから、本件のような共同不法行為においても、過失相殺は各不法行為の加害者と被害者との間の過失の割合に応じてすべきものであり、他の不法行為者と被害者との間における過失の割合をしん酌して過失相殺をすることは許されない。」としています。

 

(弁護士中村友彦)

 

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